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Confidential Talk (ナイショ話)

<第一話> 「私は鋼材屋がキライです」


自動機械の設計&試作が本業である私が、ナゼ機械加工用品の販売を手がけるようになったのでしょ?

機械の試作のためには多彩な部品を少量ずつ入手しなければなりません。無論、加工用の素材もその中に含まれ、これは近所の鋼材屋から買っていました。

鋼材屋にしてみれば良いお客ではありません。購入量は微々たるものなのに種類は多い。たいした儲けにならないので配達などしてくれません。鋼材屋の社長は私が顔を出すたびブツブツ文句を言ってくれたものです。

文句を言われても他に適当な入手先もなかったのでずっと我慢していたのですが、ついにキレてしまったのが1年ほど前のこと。「じゃ社長、まとめて買うから安くして配達もしてくれよ!!」と啖呵を切ってしまった。

さて、頭に血が上って鋼材を必要量の数倍も買ってしまったものの、どうしたものか。
ふと「プロの自分がこれだけ材料の入手で頭を痛めるのだからアマチュアの方はさぞ、いやプロでも自分と同じように小規模ならきっと・・・」と思い、試みにネットオークションに出品したところ予想をはるかに越える反響をいただき「デッドストック予備軍」も瞬く間に無くなり、請われるまま次から次に補充をかけるうち、ついには仕入れも末端の鋼材屋を飛び越えて問屋に出入りするようになる始末。

そうした中で素材以外の問合せも頻繁に寄せられるようになったためコネを伝って仕入先を開拓し、測定器材なども扱うことに。
さらには在庫リストのつもりで作った見栄えのしないホームページにも驚くほどのアクセスと、これもまた驚くほどのお引き合いを頂き、もはや後には引けない状態。一方で本業はおろそかになり、しばらく新規の受注を控えざるを得ない事態に・・・

とまぁ、自分でもコントロールできないところでジタバタしてきたわけですが、ようやく法人化の目処も立ち「とくきん」の販売スタイルが整いつつあるなかで考えさせられることがあります。

「日本中どこでも既存の鋼材屋さんは小口に対応できないの??」

どうもそのようです。

「とくきん」の常連様としばしば鋼材屋さんの悪口で盛り上がります。
曰く「材料の知識が浅い・・」、曰く「態度が横柄・・」、曰く「ボッタくられた・・」などなど。
そのなかのネタで多いのが「見積りをあれこれ頼んだら断られた」というもの。
そりゃ見積りもあれこれ頼みますよね。鋼材屋さんが値段をはっきり見せてくれていないんだから、予算にみあう分量や材質がどのあたりなのかわからない。わからなければあれこれ見積もってもらうしかない。

じゃ、なんで値段を見せない、開示しないんでしょ?
答えは簡単、客先毎に値段を変えているから隠すしかない。業界全体が閉鎖的といわれる所以です。
その「隠す」行為がどれだけ効率的な経営を阻み、結果として自らの首を絞めているというのがわからない。
だって、客先毎に値段を変えるということは例えばそれをいちいち計算する人の人件費だけでもバカにならない。
いきおいそれらの余分な経費を補っても利益がでる仕事を選ばなければならない。するとどうしたってみんなが大口取引に目が向く。
ところが大口需要家だってちゃんと数社に見積もらせる。すると何が起きるでしょ?
新規の大口取引で特値を提示したものの、経費を差し引いたら赤字だったなんて話はしょっちゅうあるらしいです。
それを嫌ったら選択肢はひとつ。自分のテリトリーを守る、つまり既存のお客の囲い込みにのみ心血を注ぎ、一方で経費のかかる小口は断るかボッタくるか・・・
経営理念もへったくれもあったものじゃない。

私見ですが、そうなったのもみんな数字に弱すぎるのが原因です。
数字に弱い連中にかぎって、鋼材に価格変動はつきものなので・・云々・・と言い訳をします。
(言い訳する前に価格変動があっても瞬時に追随できるシステムを考えろってぇの!!)

おもしろいので、機会がありましたら皆様もぜひ一度お近くの鋼材屋さんに電話でもしてみてください。
既存の鋼材屋さんの対応に憤慨したユーザー様が「とくきん」をご愛好いただく理由がよくわかると思います。

「とくきん」はベストプライスを全部見ていただいています。

自信のあらわれということなのですが、省力化を徹底した結果、他所様の処分価格よりも安価となっている例も多数あり、お褒めの言葉をいただくことも珍しくありません。
そりゃ、なにせ1年前に自分が買っていた値段よりもはるかに安く販売しているんだから。

おそらく近いうちに「とくきん」の値段を見ながら真似をしてくる同業者がでてくることも想定しています。

勝手にどうぞ。
平成17年5月記

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